古流・現代日本空手道常心門は、1969年に宗家池田奉秀によって創設されました。

通称「常心門少林流」と呼ばれておりいますが、近代少林流の名人とうたわれた沖縄の喜屋武朝徳翁の拳脈を軸としています。
昭和40 年4月に、各種の伝統武道、少林流空手道、整体医術を集大成し、独自の真・行・草の理論によって体系化し、新たな技術体系を確立したのが初代宗家・池田奉秀です。

本土の伝統武道や各種空手の研究、中国武術や整体医法の研究にも取り組み、常心門の総合的な基本理念が生まれています。それは、古流を温め、時代に調和するという考えから「古流・現代」という冠をつけていますが、この言葉は、伝承する役割と創造する役割の二面性を説いています。

したがって、他の「少林流」と区別する意味で「常心門少林流」と呼称し、国際組織においては、「国際常心門少林流空手道連盟」として活動しています。

常心門の系譜

常心門の術里

常心門では生涯武道として奥に達する為の「真・行・草」の三つの関門があります。競技によって一定にレベルに達したものが、さらに奥へと足を踏み入れると奥義に存在する妙なる術里の世界が開けてきます。

【「体」と「用」との橋渡しとしての真・行・草】
常心門の教伝体系は大別して体と用に別れ、体とは体の練りであり、基本や型がこれに含まれます。用は文字通り技の活用であり、専ら自由組手によって養われます。
しかし従来の方法では体と用の間にギャップが生じることになり、真・行・草の理論はこの間をつなぐ方法論でもあります。
「真」 基本と型の動きを正確に体得し、型の意図するところを理解し、組手によって正確な攻防の技術を身につける。
「行」真で身につけた技術を変質させていく、攻撃技と受技の区切りがほとんどなくなっていく境地を目指す。
「草」攻防一体の動きになり、動けばそれが技になる境地を目指す。

これが常心門における術里の完成された姿です。

女子武道

女性は男性に比べて「非力」で筋肉も女性特有の柔らかさを持っているために男性と同等の格闘術には限界がありました。
そこで池田奉秀は、「女性でもやれる武道」ではなく、「女性にふさわしい武道」を体系化し、1971年、女性のための総合武道と銘打って女子武道協会を興しました。
現在では、世界的にも珍しい女性だけの全国大会が開かれるまでになっています。

古武道

常心流古武術は、徒手に対する武器術であり、古来はその両方を車の車輪の如く修練しておりました。時代を経るとともに分離していくのですが、もともとは武器のあり方が徒手の空手に相乗効果をもたらすように考えられてきました。
当門では「常心流棒術振興会」の名称のもとに、古武術を習得できます。

整体医法

古来武道は「活殺自在」と呼び、相手を制圧する技術と修復して活かす術の両面をもっておりました。とくに高段者(奥伝・皆伝)は、一種の整体医法を自得した者に限られていました。常心門は単に空手というだけでなく、そういう伝統武術の素晴らしい文化を吸収し、古来「整胎」といわれたものを携えております。常心門の五つの柱の中に「行動医法」があります。

武道的に整胎論を行動医法として捉え、「整体療導士」の資格を取得した会員で構成された団体が「国際整体導機構」です。